ダブル新谷

 コンビニエンスストアでアルバイトをしているんですが、一番くじなんかの売れ残り商品を大幅に割り引いて店頭に陳列することがあります。返品が通らないゴミ同然のプライズを、どうにかこうにか売り捌こうとするわけで、店の片隅なんかにアイドルマスターFGOのストラップがごっちゃり積み上がっているのがそれです。そういうものの中には今を時めくYoutuberのグッズなんかもありまして、そういうのを買っていくのは大抵「こいつYoutubeなんて見るのか?」ってくらいのおばさんだったりします。ファンなら言わずもがな、発売時期に合わせて手に入れていることでしょうから、そのおばさんは行きずりに目にした「よく分からないけれどとにかく大幅に割り引かれている何か」に惹かれているわけであり、端的に言って狂っています。

 もしかすると素直に子供へのプレゼントとして買っているのかもしれませんが、自分はそうは思いません。何故ならそれらのおばさんは例外なく、一目見てどこかヤバい雰囲気のする御仁であり、その風体から連想されるのはおよそ「生活保護」「メダルゲーム」「テレビ脳」辺りのワードです。

 何よりも身なりが汚い。服装もどこかちぐはぐで、布がいくつか折り重なって皮膚を覆えているだけに他ならないような、そんな印象を受けます。爪なんかを見てみると、ネイルに見立てたマッキーのインクがべったりと付着していたりと、ことヤバさに関して、枚挙に暇がありません。

 そんなヤバい人間が大挙して押し寄せる夜勤シフトで日銭を稼ぎながら、学業に勤しみつつ、コロナ禍で求職活動中です。職にありつけるんでしょうか。不安しかありません。社会が俺を拒む。クソが。

 

 唐突に思い出したんですけど、人生で聞いてきた中で一番好きな「クソが」は、『宇宙パトロールルル子』ミドリ役の新谷真弓のそれです。こないだゴールデンウィーク期間限定で、全編90分程度を1本の長編アニメーションへと編集した『宇宙パトロールルル子 初恋BIG版』が無料公開されていたので見てみたんですが、やっぱりあのOPの勢いと〆の「つづくっ!」で喉奥へと流し込むような作りが功を奏していたんだなとつくづく思いました。テレビ放映にあたって、各話で区切るからこそテンポの良さが際立ってましたね。また今度、テレビ放映版を見返したいと思います。新谷真弓といえば、『BNA ビー・エヌ・エー』には出ておらず、一抹の寂しさがあります。あの人の声を聴いていると、ああ、TRIGGER見てるなっていう実感が強まるので。『プロメア』も近日オンデマンド公開されるということで、楽しみですね。波に乗ってますねTRIGGER。プロメアは公開当初観に行ったんですけど、最初の30分で頭使って見たのが失敗でした。バーニッシュをソーシャルマイノリティとした社会学的なものとして考えてしまったので、途中のギアチェンジに戸惑ってしまったのが記憶に残っています。終盤の盛り上がりまでには間に合ったのが幸いでした。ゲッター線を浴びた堺雅人が堪りませんでしたね。恒例の新谷枠としてルチアに注目していたんですが、終盤でリオ君にお株を奪われていたのが悲しかったです。

 

 同じ新谷で思い出しましたが、新谷良子、今頃何してるんですかね。2016年の戯言シリーズOVAで久々に声を聴いたときに調べてみたんですが、今はほとんどアニメに出てなさそうで、舞浜にはちゃんと通えているんだろうかと心配になります。松来未祐新谷良子が大好きな友人が時折寂しそうにぼやくので、自分もいつの間にか同じ癖がついてしまいました。この面子で連想されるのは『ひだまりスケッチ』とそのキャストの面々ですが、ゆの役の阿澄佳奈はなんだかんだでVtuber(なちょこ)に腰を落ち着けていて、時折蒼樹うめ先生を呼びつけていることからも、かつてのひだまりラジオ的な空間は健在であることを示してくれています。ちなみに彼はそのラインナップを掲げていながらもひだまりラジオに関心はなく、さよなら絶望放送派でした。まあ、似たり寄ったりですけどね。かつてSZBHリスナーだった人間は、巡り巡って月ノ美兎の放課後ラジオ辺りに行きついているんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。似てませんかね、空気が。

 というか、なちょこ然り月ノ美兎然り、いずれもVtuber文化に収束する辺り、こうして書き出してみるとインターネットカルチャーは連綿と続いているんだなという実感が湧いてきますね。

 

 と、連想されることから適当に書き出してみましたが、ご覧の通りシャフトとTRIGGERに育まれたオタクなので、自然とこういう感じになりました。声優趣味って言えるほど好きでもないのでそれほど公言はしてないんですが、かつて聴いていたアニラジの山が今のラジオ趣味として結実していることを思うと、悪くない時間だったなと思います。ぶっちゃけ声優のラジオなんて、大半がクソつまんない内容のサンプルボイス配布に過ぎないので、耳の保養以上のものにはならないと思っています。ラジオ過激派です。かといって公共放送の深夜番組を礼賛するつもりもないので、結局自分はそこまでラジオが好きではないんだと思います。書いていて錯乱してきたので、そろそろ終わりにしたいと思います。